鎌倉寺社めぐり

鎌倉流鏑馬【鶴岡八幡宮】日程と観覧ガイド

最終更新:2026年7月5日|流派の交代(武田流→小笠原流)、観覧席制度の変更、2026年の開催情報を反映して全面更新しました。

鎌倉鶴岡八幡宮で行われる流鏑馬神事の日程・当日の流れ・観覧のコツを、実際に見に行った経験をもとに解説します。

\次回の鎌倉流鏑馬/

2026年9月16日(水)鶴岡八幡宮例大祭 流鏑馬神事
13:00 舞殿にて神事(この時間以降は馬場を横切れません)
14:00頃 騎射スタート ~ 15:00過ぎ終了
観覧無料・受付不要(自由観覧・規制あり)/奉仕:弓馬術礼法小笠原流

鶴岡八幡宮の流鏑馬は年2回【春と秋の違い】

鶴岡八幡宮では現在、春と秋の年2回、流鏑馬神事が行われています。かつて春の流鏑馬は「鎌倉まつり」の最終日を飾る行事として親しまれてきましたが、現在は八幡宮の「崇敬者大祭」の神事として斎行される形に変わっています。違いを表にまとめました。

鶴岡八幡宮の流鏑馬 春と秋の比較(2026年時点)
  春:崇敬者大祭 秋:例大祭
日程 例年4月・鎌倉まつり期間中の日曜
(2026年は4月19日 13時~)
毎年9月16日 13時~
(例大祭は9月14日~16日)
奉仕する流派 弓馬術礼法 小笠原流 弓馬術礼法 小笠原流
観覧 崇敬者組織「槐の会」向けの席が中心
一般向け有料席の販売はなし
無料・自由観覧(規制あり)
場所取りは午前中から
かつては 2023年までは「鎌倉まつり流鏑馬」として
武田流(大日本弓馬会)が奉納
800年以上続く例大祭の神事
(1187年の放生会が起源)

※崇敬者大祭の時期・形式は年により変わる場合があります。お出かけ前に鶴岡八幡宮公式サイトの発表をご確認ください。

流鏑馬の開始時間と当日の流れ

鶴岡八幡宮は鎌倉駅東口より徒歩10~15分です。

当日のスケジュールは以下です(年によって多少変わることがあります)。騎射(馬が走り出すの)は例年14時ころで、13時の神事開始以降は馬場を通ることができなくなるのでご注意ください。

鎌倉鶴岡八幡宮 流鏑馬神事の当日スケジュール(例大祭9月16日の例)
13:00 舞殿にて神事が執り行われます。馬場で場所取りをしている場合、神事そのものは見えませんが場内アナウンスで進行がわかります。この時間以降、馬場は横切れません。
13:40ころ 射手と馬が馬場に入場。狩装束の射手が馬上で行進する姿だけでも壮観です。馬場入り後、天下泰平・五穀豊穣を祈る儀式が行われます。
14:00ころ 騎射スタート。まず素馳(すばせ:的を射ずに馬場を慣らす走り)があり、そのあと射手が次々と馬場を駆け抜けながら一の的・二の的・三の的を射抜いていきます。的と的の間はわずか数秒。矢が的に当たる「パーン」という音と歓声が交互に響きます。
15:00すぎ 終了。凱陣ののち、観覧者も順番に退場します。

※細かな式次第は流派・年により異なります。かつて春の鎌倉まつりで奉納されていた武田流の式次第の記録は、流派と歴史の章に残してあります。

流鏑馬の観覧ガイド・穴場【体験談】

八幡宮の流鏑馬ですが、大大大混雑します!

穴場ですが、警備本部や開催本部の周りにスペースがあれば・・といった感じでしょうか。良い場所は的の手前の一般エリアですが、とにかく競争率が高いです。

私が見に行ったときに思ったのは、遅くとも12時ころには会場入りしてじーっと待ったほうが良いということです。最前列狙いの人は午前中から場所取りをしています。開始時間に着いても見られることは見られますが、正直、人の頭とスマホでまともに見えません。以前は林っぽいところから見れたと思うのですが、現在は一般で立てるエリアが非常に制限されているのでご注意ください。

長丁場になるので、レジャーシートや簡易イス、飲み物、時間つぶしの本などがあると楽です。9月はまだ暑く、場所によっては直射日光を浴び続けるので、日焼け・熱中症対策も必須。なお日傘は、神事が始まったら後ろの人の視界を塞いでしまうので閉じるのがマナーです。

流鏑馬のリストバンド(有料観覧席)は今もある?

結論から言うと、かつて販売されていた有料観覧席「リストバンド」(3,000円・限定450本)は、現在は販売されていません。

\有料観覧席の現状(2026年)/
  • 秋の例大祭(9月16日):有料観覧席はなく、無料の自由観覧です(境内に観覧規制あり。係の案内に従ってください)。
  • 春の崇敬者大祭:崇敬者組織「槐(えんじゅ)の会」向けの席が中心で、一般向けの有料席販売はありません。
  • 写真のリストバンドは、鎌倉まつり主催時代(~2023年)に観光協会経由で販売されていたものの実物です。当時は3月に販売開始され、3月中にほぼ完売していました。記録としてこのページに残しておきます。

古い情報のまま「リストバンドを買わなきゃ」と探している方は、探さなくて大丈夫です。その分、早めの場所取りに時間を使いましょう。

流鏑馬 鶴岡八幡宮馬場マップ

鶴岡八幡宮流鏑馬マップです。鎌倉観光協会サイトより引用しました。馬場は本宮に向かって東西に伸びる約250mの直線で、一の的→二の的→三の的の順に駆け抜けます。

鎌倉流鏑馬の流派と歴史【武田流と小笠原流】

鶴岡八幡宮の流鏑馬を語るうえで欠かせないのが、弓馬の礼法を800年以上伝えてきた二つの流派、武田流と小笠原流です。

時を遡ること平安時代、宇多天皇が「弓馬の礼法」を制定させました。これによって弓馬の礼は源氏が代々相伝することとなり、新羅三郎義光の子孫である武田・小笠原の両家に伝えられたのです。つまり二つの流派は、同じ源流から分かれた兄弟のような関係にあります。

吾妻鏡によると、平家に勝利した源頼朝は、源氏の氏神である八幡宮の神前に流鏑馬を奉納しようと故実を調査していました。そして文治3年(1187年)8月15日、武田信義、小笠原遠光を検見役として、鶴岡八幡宮の放生会にはじめて流鏑馬を奉納したのです。諏訪盛澄は捕らわれの身で悪馬を与えられたにもかかわらず、頼朝の前で全的中させるという凄腕を発揮し、御家人に引き立てられました。弓馬に覚えのある御家人18名を集めて流鏑馬の故実を談じさせた逸話も残っており、頼朝が再興した流鏑馬は、鎌倉武士の質実剛健さをはぐくむ武家社会になくてはならない神事となったのです。現在の例大祭(9月)は、この1187年の放生会を起源としています。

現在の奉仕は小笠原流

現在、鶴岡八幡宮の流鏑馬神事(春の崇敬者大祭・秋の例大祭)は、いずれも弓馬術礼法 小笠原流(小笠原教場宗家以下一門)の奉仕により行われています。小笠原流は鎌倉時代から800年以上、弓術・馬術・礼法の伝統を受け継いできた流派です(小笠原流公式サイト)。

春の流鏑馬を担ってきた武田流(~2023年)

一方、春の「鎌倉まつり流鏑馬」として長く親しまれてきたのが、武田流(公益社団法人 大日本弓馬会)による奉納です。武田家は鎌倉から室町時代にかけて武門を誇り、甲斐・安芸・若狭を治めました。江戸期には武田家嫡流の弓馬故実が細川家に伝えられ、家臣の竹原氏が継承。明治期に細川護久侯の命を受けた井上平太氏から金子有鄰氏へと相伝されたものが、鎌倉の武田流です(詳しくは日本古式弓馬術協会大日本弓馬会)。

鎌倉まつりの流鏑馬は2023年まで武田流により奉納されましたが、現在の春の流鏑馬は八幡宮の崇敬者大祭の神事として小笠原流が奉仕する形になっています。武田流(大日本弓馬会)は鎌倉に新しい稽古場「鎌倉教場」を整備し、寒川神社・三嶋大社・明治神宮などで流鏑馬を奉納し続けています。鎌倉の武家文化を伝える両流派、それぞれの今後にも注目です。

【記録】武田流時代の式次第(鎌倉まつり流鏑馬)

参考として、鎌倉まつり時代(~2023年)に武田流が奉納していた流鏑馬の式次第を記録として残します。管理人が観覧した当時のものです。

鎌倉まつり流鏑馬(武田流・~2023年)の式次第の記録
出陣 13時ころ 寄席の太鼓を合図に射手と諸役が社務所前に整列し、修祓場へ行進
修祓 修祓後、鏑矢奉献、願文奉上の儀へ
鏑矢奉献、願文奉上の儀 流鏑馬神事を行うにあたり、奉行が神前に鏑矢を奉献し願文を奉上。天下泰平と五穀豊穣を祈ります。
天長地久の式 騎乗し、鏑矢を天と地に対して満月のように弓を引き、天下泰平と五穀豊穣を祈念します。その後、射手・諸役は「序の太鼓」に合わせて馬場末から馬場本へ行進します。
馬場入り 馬場入り後、挨拶
騎射 14時ころ 奉行の「破の太鼓」を合図に、扇方が馬場の状況を確認し、素馳(的を射ずに馬場慣らし)、一の組・二の組による式の的と板的、競射(土器三寸の的)の順に騎射が行われました。
凱陣の式 凱陣の式では最多的中者が検分を受けます。
終了 15時20分ころ

鎌倉流鏑馬 よくある質問

Q. 鎌倉の流鏑馬、次はいつ開催されますか?

A. 次回は2026年9月16日(水)、鶴岡八幡宮例大祭の流鏑馬神事です。13時に舞殿で神事が始まり、騎射(馬が走るの)は14時頃からです。春は例年4月に崇敬者大祭の流鏑馬神事が行われます(2026年は4月19日でした)。

Q. 良い場所で見るには何時に行けばいいですか?

A. 最前列で見たいなら午前中からの場所取りが必要です。管理人の経験では、遅くとも12時頃には会場入りしないと、開始時間到着では人の頭とスマホ越しになります。13時以降は馬場に入れなくなります。

Q. リストバンド(有料観覧席)はまだ販売されていますか?

A. 現在は販売されていません。3,000円のリストバンド席は鎌倉まつり主催時代(~2023年)の制度です。現在、秋の例大祭は無料の自由観覧(規制あり)、春の崇敬者大祭は崇敬者組織「槐の会」向けの席が中心です。詳しくはリストバンドの現状をご覧ください。

Q. 春と秋の流鏑馬は何が違いますか?

A. 春(例年4月)は崇敬者大祭の流鏑馬神事、秋(毎年9月16日)は例大祭の流鏑馬神事です。現在はどちらも小笠原流の奉仕です。かつて春は鎌倉まつりの行事として武田流が奉納していました。比較表にまとめています。

Q. 流鏑馬は写真撮影できますか?

A. 観覧エリアからの撮影は可能です。ただし大混雑のため三脚は現実的でなく、日傘や自撮り棒は周囲の迷惑になるので控えましょう。

※このページは、米オレゴン大学の日本語言語学の授業(JPN 315・2024年)で、日本政府観光局の観光サイトと比較分析する教材として採用されました。これからも現地で見たままを、正確にお伝えしていきます。

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